アレルギー
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ヒト肺における即時型アレルギー反応とヒスタミン
鈴木 修二
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1973 年 22 巻 9 号 p. 563-583,613

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抄録

特異抗原に対する皮膚テストや吸入テストが陽性である症例や, PK反応を陽性にする血清を持つ症例があることから, 喘息患者のあるものでは, 即時型アレルギー反応が症状発現の基礎をなしていると考えられる.ある動物のある臓器の即時型アレルギー反応において, ある物質が化学的作用物質であるか否かを知るためには, 1) その物質もしくはその前駆物質がその臓器に含まれているか, 2) 感作された臓器に抗原を作用させた場合その物質が遊離するか, 3) その物質がその臓器に即時型アレルギー反応によると類似の症状をおこさせるか, 4) その臓器でその物質は代謝されるか, などを明らかにする必要がある.ヒト肺における即時型アレルギー反応とヒスタミンとの関連について諸文献の検討をおこなった.1) ヒスタミンはヒト肺に含まれ, 2) 感作されたヒト肺に抗原を作用させるとヒスタミンが遊離することは確実である.しかし, ヒスタミンのヒト肺に対する作用およびヒト肺における代謝に関しては, いまだ不明確ところが多い.

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© 1973 日本アレルギー学会
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