アレルギー
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スギ花粉症における血清 IgE の季節変動
高山 哲前島 周一田中 博斎藤 洋三長谷川 誠渡辺 建介
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1974 年 23 巻 10 号 p. 662-665,708

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抄録

スギ花粉症における血清 IgE の季節変動を観察した.スギ花粉症においても, 他の花粉症 (ragweed, birch and timothy) と同様に, 血清 IgE の季節変動が認められた.総計16例のスギ花粉症の血清 IgE と RIST により, 経時的に (1973年3, 4, 5, 6, 7月) 測定した.5例は, スギ花粉季節中 IgE が一時下降し, ついで再び上昇してピークになり, 季節終了後再び下降した.11例は, 花粉季節とともに IgE は上昇しピークになり, 季節終了につれて減少した.16例平均の変動比 (最高 IgE 値/最低 IgE 値) は2.7倍であった.血清 IgE の季節変動は, 空中スギ花粉 (抗原刺激) の変動に基づくものと考えられる.

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© 1974 日本アレルギー学会
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