アレルギー
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全身性エリテマトーデス (SLE) における血清クリオグロブリン : I. その特徴および他の膠原病との比較
石田 豊
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1974 年 23 巻 10 号 p. 666-675,709

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抄録

全身性エリテマトーデス(SLE)の血清クリオグロブリン(以下Cg.と略)を中心に各種膠原病の Cg.について免疫血清学的検索を行い, SLE と他の膠原病における血清 Cg.の比較討検を行った結果, 以下のことが判明した.SLE 44例中30例に Cg.を認めたが, SLE の Cg.は免疫グロブリンのほかにC_1q, β_1c の補体成分が結合しており, DNA, RNA などの抗原となりうる成分も少数例ながら認められた.また RF, ANF などの抗体活性を示すものもみられ, 強い抗補体作用を示すものが多かった.これらの事実は, SLE においては Cg.が immune complex として存在し, 組織傷害性に働いている可能性が大きいことを示していると思われる.

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© 1974 日本アレルギー学会
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