アレルギー
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職業性喘息におけるRASTの有用性についての研究
池 愛子根本 俊和青木 秀夫黒沢 元博笛木 隆三小林 節雄外川 信牧元 弘之
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1976 年 25 巻 8 号 p. 614-620,644-64

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抄録

コンニャク喘息, そば喘息, まぶし喘息の3種の職業性喘息について, paper disc法を用いて特異的IgE抗体検索のためのRASTが有用か否かの検討を行った.1) コンニャク喘息例において, コンニャク舞粉に対するRASTカウントは, 2600±650(counts/min, mean±SE), 非コンニャク喘息では400±30と, コンニャク喘息では非コンニャク喘息より有意に高いRASTカウントを示した.2) コンニャク喘息例において, 舞粉による皮内反応閾値とRASTカウントとの間には高い相関がみられた.3) そば喘息例のそば粉に対するRASTカウントは3900±1400で, 対照群のそば皮内反応陰性の喘息例では700±90と, そば喘息は対照群に比し有意に高いカウントを示した.4) まぶし喘息では, 熟蚕尿のコカ抽出アセトン分画, 0-30%, 30-50%, 50-90%, 0-90%の各硫安飽和分画を作成, それぞれについてRASTを行った結果, まぶし喘息例では, 50-90%分画, 0-90%分画, アセトン分画の順に高いRASTカウントが得られた.90%分画を用いたまぶし喘息のRASTカウントは1850±310で, 対照群の非まぶし喘息の850±50に比し有意に高いカウントを示した.5)コンニャク喘息, そば喘息, まぶし喘息のいずれについてもRASTは特異的IgE抗体検索上きわめて有用であるとともに, 起因抗原である舞粉, そば粉, 熟蚕尿のより詳細な抗原分析の手段としても役立つものと考えられた.

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© 1976 日本アレルギー学会
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