アレルギー
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気管支喘息患者におけるアドレナリン投与時の血糖, 乳酸, 焦性ブドウ酸および血漿Cyclic AMP値の変動について
富澤 古志郎
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1978 年 27 巻 8 号 p. 687-696,713-71

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抄録

気管支喘息患者におけるβアドレナリン刺激に対する反応を明らかにするために本研究をおこなつた.著者はアドレナリン投与時の血糖, 乳酸, 焦性ブドウ酸値を喘息患者37例と健常者20例について比較検討し, さらに喘息患者の重症度, 病型の面より検討した.アドレナリン投与時の血漿 cyclic AMP (cAMP) 値は喘息患者5例と健常者5例について比較検討した.アドレナリン投与量は7μg/kgである.次のような結果をえた.1.アドレナリン投与時の血糖, 乳酸, 焦性ブドウ酸値の上昇率は健常者より喘息患者で低下し, 重症度別には重症喘息で軽-中等症喘息患者より低下していた.またこれらの上昇率は発作型より慢性型で低下し, 罹病期間との間には一定の傾向はみられなかつた.2.アドレナリン投与時の cAMP値の上昇率は喘息患者で低下していた.cAMP の上昇率は軽症より中-重症で低下していた.以上の結果より, βアドレナリン刺激に対する反応は喘息患者で低下し, 特に重症慢性型喘息患者で低下していた.

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© 1978 日本アレルギー学会
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