アレルギー
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特異的減感作治療後長期経過した鼻アレルギー症例の臨床的研究
藤谷 哲造牧 孝高原 哲夫森本 大和志水 雄輔
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1979 年 28 巻 5 号 p. 403-409

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抄録

ハウスダストによる鼻アレルギーと診断され, 特異的減感作治療をうけるように指導した患者で, 抗原決定から3年以上経過した症例につき, アンケート調査を行い, 来院できる患者には臨床検査を行い, 次のような結果がえられた.1. 維持量継続投与群の有効率が最も高い.2. 皮内反応, 鼻誘発反応, 鼻汁中好酸球の有無と治療経過および効果との間には相関を認めなかった.3. 継続治療群において, BA価, PS価が最も高かった.4. 有効群のBA価は, 無効群に比較して有意に高かった.5. 治療経過および効果とIgE価, IgE抗体値とに関係は認められなかった.6. BAが認められる症例では, IgE抗体価が低い傾向があった.7. 減感作治療効果をさらに高めるためには, BA価の上昇を計るとともにIgE抗体価の低下をも行う, 両面の治療が必要である.

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© 1979 日本アレルギー学会
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