アレルギー
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小児気管支喘息児における臨床的重症度と Exercise-Induced Bronchospasm (EIB) の重症度の検討 : 第2編 トレッドミルによる負荷試験
西間 三馨荒木 速雄貝塚 博美小泉 俊次郎
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1982 年 31 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

喘息児71名, 健康児26名を対象に, 第1編における自転車エルゴメーターにかえてトレッドミル負荷 (6km/h, 10%, 6分) を行い, 臨床的重症度と EIB 重症度を検討し, 下記の結果を得た. (1) 自転車エルゴメーターでは臨床的重症度と EIB 重症度の相関は良好であったが, トレッドミルでは明らかでなかった. (2) EIB 陽性と判定する Max.% fall の値は FVC:10%, FEV_1:15%, MMF:35%, PEFR:25%, V_<50>:30%, V_<25>:45%以上と考えられた. (3) EIB の検出感度は FEV_1が最も鋭敏であり, FEV_1 と V_<50>を組合せると EIB 陽性者の91.5%が検出可能であった. (4) 重症者ほど, この定量負荷が維持できない傾向があった. (5) 以上より, トレッドミル負荷は EIB の検出には優れた方法であるが, 定量性は劣り, 臨床的重症度と EIB 重症度との量的相関をみるには自転車エルゴメーターの方が適していると考えられた.

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© 1982 日本アレルギー学会
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