阪大小児科・アレルギー外来を受診した気管支喘息児に, 初診後5-10年でアンケート調査を3回行い, 軽快・治癒群(107例)でその背景因子を検討し, 以下の結論を得た.1.10歳前後で軽快・治癒する例が多く, 徐々に軽快するというより, 急激に改善する例が多かった.2.喘息が軽快・治癒後も鼻炎症状が残存する傾向があり, 湿疹は軽快傾向がみられた.3.喘息児では不定愁訴を持つ例があり, これらも喘息の軽快・治癒後に残存したり, 新たに出現することがあるので注意する必要がある.4.治療は減感作療法をはじめ, 積極的に受けられており, 同時に心身の鍛練なども親子で熱心に取り組まれていた.しかし一方で, 民間療法にたよる者も約1/3にみられた.5.喘息の軽快・治癒例の患児と両親の性格に歪みはみられなかった.