1991 年 40 巻 7 号 p. 669-679
選択的μ-stimulantであるSN-408 (salmeterol hydroxynaphthoate)のラット48-hr passive cutaneous anaphylaxis (PCA)ならびにラット腹腔浸出細胞およびモルモット肺切片からのchemical mediator遊離に及ぼす影響について検討した. SN-408はisoproterenolおよびsalbutamolと同様に用量依存的にPCA反応を抑制し, また, histamineおよびserotoninによる皮内反応を抑制した. time courseの実験によりSN-408のPCA抑制作用は他のβ-stimulantに比して持続的であった.一方, SN-408はラット腹腔浸出細胞からのアナフィラキシー性histamine遊離を濃度依存的かつ他のβ-stimulantより強く抑制した. また, モルモット肺切片からのアナフィラキシー性histamineおよびimmunoreactive (i) leukotriene (LT) B_4およびi-LTC_4遊離を低濃度から濃度依存的に抑制した. 以上の成績から, SN-408は他のβ-stimulantと同程度もしくはより強い作用を有する抗アレルギー薬と思われる.