アレルギー
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メチルプレドニソロン (MP) によるC1s^^-活性阻止作用
出口 雅子竹村 周平上田 正博芦原 久美子一尾 直子土井 たかし中原 梨佐笠松 美宏岡本 雅之福田 亙柳田 国雄小野寺 秀記杉野 成近藤 元治
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1992 年 41 巻 9 号 p. 1398-1404

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抄録

C1INHの活性型C1s^^-阻害作用を応用したC1INH活性測定法により, メチルプレドニソロン (MP) のパルス療法を施行した結合織疾患患者の血清C1INH活性を測定した際, 全例でパルス後にC1INH活性の上昇を認めた. さらに血漿C1INH-C1s complexは, 検討した4例全例でパルス前に比し6時間後に低値を示した. そこで, MPの活性型C1s (C1s^^-) におよぼす影響を検討した. (1) C1s^^- (8μg/ml) と各種濃度のMP (2〜50mg/ml) を37℃, 60分間反応させると, C1s^^-によるC4活性の低下作用はMPの濃度依存的に阻止された. (2) MPと反応後, 透析によりMPを除去してもC1s^^-のC4ならびにC2に対する活性低下作用は共にMPの濃度依存的に阻止された. 以上より, in vivoにおいてimmune complexなどにより産生される微量なC1s^^-を長時間かけて低濃度のMPが阻止し, C1INH活性の消費を抑える結果, パルス療法後にC1INH活性の上昇, C1INH-C1s complexの低下をきたした可能性が考えられた. MPの有するC1s^^-活性の阻止作用は補体系の活性化を伴う種々の病態において, 抗炎症作用発現の1つの機序と考えられた.

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© 1992 日本アレルギー学会
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