2022 年 71 巻 8 号 p. 944-948
現在,重症喘息に対する生物学的製剤の長期使用の報告がなされている.しかし,効果が認められる症例における必要治療継続期間,中止基準については明確な基準はない.今回,オマリズマブによる長期的なコントロール維持の後,投与間隔の延長に伴い,喘息病態が悪化を来たし,その後通常間隔投与に戻したものの,当初の効果を認めなかった重症喘息の1例を経験した.投与間隔を延長したことが,効果減弱に関与した可能性もあり,今後のオマリズマブの長期使用に関する診療の一助となると考え,報告する.