農林業問題研究
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個別報告論文
品目別食料自給率の要因分解分析
廣瀬 拓赤堀 弘和近藤 功庸山本 康貴
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2015 年 51 巻 2 号 p. 86-91

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1. 課題

日本の食料自給率は長期的に低下傾向にあり,諸外国と比較してもその数値は低い傾向にある(農林水産省,2012).食料・農業・農村基本法において「食料自給率目標は,その向上を図ることを旨」とすると規定され,食料自給率向上は日本における農業政策の重要な政策目標の一つになっている.

品目別食料自給率を国内生産量と国内需要量の比率と定義すれば,品目別の食料自給率は,生産要因である国内生産量だけではなく,需要要因である国内需要量にも左右される.国内生産量は,単収(作付面積あたり国内生産量)に作付面積を掛けたものと定義上,常に等しいので,国内生産量は単収と作付面積の動向に左右される.また,国内需要量は,一人当たり需要量に人口を掛けたものと定義上,常に等しい(生源寺,2008)ので,国内需要量は一人当たり需要量と人口に左右される.例えば,需要要因の一つである人口の増加は,国内需要量を増加させるので,食料自給率低下の方向へ影響を及ぼすことになる.

もし日本の食料自給率が,作付面積や単収などの農業の生産要因(主に農業政策の施策で対応すべき要因)よりも,一人当たり需要量や人口などの需要要因(主に農業政策以外の施策で対応すべき要因)により大きく影響を受ける指標ならば,食料自給率向上の政策目標を農業政策の施策だけで達成するのは困難である.はたして現実においても,日本の食料自給率は農業の生産要因よりも需要要因に大きな影響を受けやすい政策指標となっているのであろうか.

日本の食料自給率を分析した研究は数多く存在する(株田他,2014小林20002014清水,2011生源寺,2008社団法人食品需給研究センター,2011茅野,2005釣,2011中川他,2006永田,2008農林水産省,2000平澤他,2004藤本,2005).これら先行研究の中で,農林水産省(2000)小林(2000)は食料自給率を需要要因と生産要因に要因分解し,分析を行った先駆的な研究である.しかし,これら2つの研究は,需要要因である国内需要量を人口要因と一人当たり需要量要因に分解した分析を実施していない.また,社団法人食品需給研究センター(2011)は需要要因を人口要因などに分解した分析を実施しているが,生産要因を単収と作付面積に要因分解した分析を実施していない.

人口変化は,短期でみると小さい.このため,長期でみなければ,食料自給率に及ぼす人口要因の重要性は見落とされやすい.日本の食料・農業・農村基本計画はおおむね5年ごとに見直されてきた.しかし5年程度の短期では人口の変化は小さく,人口の変化が食料自給率変化に与える影響を明確にとらえることは困難である.そこで本論文では,特に人口変化が食料自給率変化に与えた影響を明確に解明して行くため,1960年から2011年までの約50年という長期にわたる食料自給率を分析対象とし,「日本の食料自給率は,長期でみると,農業の生産要因よりも消費の需要要因により大きく影響を受けやすい政策指標である」という作業仮説検証を試みる.この仮説を検証するため,品目別食料自給率の過去推移を需要要因と生産要因に分解し,さらに需要要因を日本の総人口と一人当たり需要量の要因に,生産要因を作付面積と単収の要因に峻別した要因分解分析を試みた.

2. モデルと分析方法

(1) 食料自給率の要因分解モデル

食料自給率をsとし,D:国内需要量,Q:国内生産量とすると s= Q D であり,食料自給率変化Δs

  

Δ s = Δ ( 1 D ) × Q + Δ Q × ( 1 D ) (1)

(1)式のように要因分解できる1.さらにa:人口,b:一人当たり需要量,c:作付面積・頭数,d:単収とすると需要量や国内生産量の変化は

  

D = a × b   より   Δ D = a Δ b + b Δ a (2)

  

Q = c × d   より   Δ Q = c Δ d + d Δ c (3)

(2)と(3)式のように要因分解できる.なお分析結果は,期間内で1年ごとの要因分解結果を累積した値によって算出する(社団法人食品需給研究センター,2011).

以上の分析結果を用い,本論文の作業仮説を以下の判断基準で検証する.食料自給率変化における需要要因と生産要因の絶対値の大きさを比べ,需要要因の絶対値のほうが大きい品目数が多ければ「日本の食料自給率は,長期でみると,農業の生産要因よりも消費の需要要因により大きく影響を受けやすい政策指標である」という作業仮説支持を示唆する結果と考える.

(2) 分析データ

分析期間や分析対象の農産物品目は,小林(2000)を参考に,1960年から2011年までの12品目(小麦,いも類,大豆,野菜,果実,牛肉,豚肉,鶏肉,鶏卵,乳製品,砂糖,濃厚飼料)とした.人口については,総務省統計局(2013)『人口推計』を用いた.一人当たり需要量については,(需要量)÷(人口)で算出した値を用いた.作付面積・頭数,単収については,農林水産省(2013)『耕地及び作付面積統計』,農林水産省(2013)『畜産統計調査』,農林水産省(2013)『食料需給表』を用いた.単収(畜産の場合は一頭あたり生産量)は(生産量)÷(作付面積もしくは頭数)で算出した.

なお長期ではなく短期に時期区分してみると,食料自給率変化は,必ずしも生産要因よりも需要要因により大きく影響を受ける品目数の方が多い結果とはならず,本論文の作業仮説とは異なる状況も生じ得ると予想される.まず人口要因の食料自給率への影響は短期の方が長期よりも小さくなると予想される.また短期では,食料自給率の需要要因と生産要因は,各時期の時代背景などの要因から様々な影響を受けることが予想される.こうした点も確認するために,以下の3ステージに時期区分した分析も試みる.第1ステージは1960年からプラザ合意頃の1985年までの時期である.この時期,食生活と農業生産が急速に変化した2.第2ステージは,1985年から1995年までの時期である.この時期,食生活の変化が落ち着きつつある一方で,プラザ合意による円高傾向などにより,日本農業の競争力が低下した.第3ステージは,1995年以降から2011年までの時期である.この時期,農業生産の停滞傾向が継続する一方で,少子高齢化・人口停滞が進展して食料需要も縮小局面に向かう傾向となった.

3. 分析結果
表1. 品目別食料自給率の要因分解分析結果
A基準年
自給率
(%)
B比較年
自給率
(%)
Δs=B–A=①+②
①需要要因
=Ⅰ+Ⅱ
②生産要因
=Ⅲ+Ⅳ
Ⅰ人口要因 Ⅱ一人当たり需要量要因 Ⅲ作付面積・頭数要因 Ⅳ単収要因
小麦 全期間 38.6 11.1 × −27.5 −9.7 −4.3 −5.3 −17.8 −17.7 −0.1
1960–1985 38.6 14.3 × −24.3 −8.5 −3.7 −4.9 −15.7 −16.6 0.9
1985–1995 14.3 7.0 × −7.3 −0.6 −0.5 −0.1 −6.7 −4.5 −2.2
1995–2011 7.0 11.1 × 4.1 −0.5 −0.2 −0.3 4.6 3.4 1.2
いも類 全期間 100.2 75.4 × −24.8 78.4 −30.5 108.9 −103.2 −142.8 39.6
1960–1985 100.2 96.3 × −3.9 59.4 −25.7 85.0 −63.3 −100.1 36.8
1985–1995 96.3 87.0 × −9.4 3.8 −3.4 7.2 −13.2 −22.2 9.0
1995–2011 87.0 75.4 × −11.6 15.2 −1.5 16.7 −26.7 −20.6 −6.2
大豆 全期間 27.6 6.9 × −20.7 −7.7 −2.6 −5.1 −13.0 −12.2 −0.8
1960–1985 27.6 4.5 × −23.0 −10.2 −1.9 −8.3 −12.7 −12.4 −0.3
1985–1995 4.5 2.4 × −2.1 0.2 −0.2 0.3 −2.3 −1.9 −0.4
1995–2011 2.4 6.9 4.5 2.4 −0.1 2.5 2.1 2.5 −0.4
野菜 全期間 100.0 79.5 −20.5 −26.2 −30.4 4.1 5.7 −12.8 18.6
1960–1985 100.0 95.0 −5.0 −39.5 −25.6 −14.0 34.5 −4.0 38.5
1985–1995 95.0 84.8 × −10.2 0.9 −3.3 4.3 −11.2 6.1 −17.2
1995–2011 84.8 79.5 × −5.3 12.4 −1.5 13.8 −17.6 −14.9 −2.7
果実 全期間 100.3 37.8 −62.5 −77.7 −25.3 −52.5 15.4 3.0 12.4
1960–1985 100.3 76.8 −23.6 −72.9 −22.1 −50.9 49.4 30.7 18.8
1985–1995 76.8 49.0 × −27.8 −9.0 −2.4 −6.6 −18.8 −13.3 −5.5
1995–2011 49.0 37.8 × −11.2 4.1 −0.8 5.0 −15.3 −14.3 −0.9
牛肉 全期間 95.9 40.4 −55.5 −167.8 −24.2 −143.6 112.4 51.3 61.1
1960–1985 95.9 71.8 −24.1 −138.7 −21.5 −117.1 114.6 63.5 51.2
1985–1995 71.8 38.7 −33.2 −36.4 −2.0 −34.4 3.3 −3.1 6.4
1995–2011 38.7 40.4 1.7 7.3 −0.7 7.9 −5.6 −9.1 3.5
豚肉 全期間 96.1 51.9 −44.2 −256.0 −27.9 −228.1 211.5 177.3 34.2
1960–1985 96.1 86.0 −10.1 −235.4 −24.1 −211.3 225.0 191.9 33.1
1985–1995 86.0 62.0 × −24.0 −11.6 −2.8 −8.9 −12.4 −10.5 −1.9
1995–2011 62.0 51.9 −10.1 −9.0 −1.0 −8.0 −1.1 −4.1 3.0
鶏肉 全期間 96.7 65.7 −31.1 −186.7 −23.3 −163.4 154.9 150.5 4.4
1960–1985 96.7 92.4 −4.4 −158.9 −19.1 −139.7 153.8 162.9 −9.2
1985–1995 92.4 68.8 −23.6 −18.1 −3.0 −15.1 −5.5 −13.6 8.2
1995–2011 68.8 65.7 −3.1 −9.7 −1.2 −8.6 6.6 1.2 5.4
鶏卵 全期間 99.8 94.3 −5.5 −66.6 −25.7 −40.9 61.4 38.9 22.1
1960–1985 99.8 98.2 −1.6 −49.0 −20.4 −28.6 47.4 38.2 9.2
1985–1995 98.2 95.9 −2.4 −18.6 −3.6 −15.0 16.2 8.6 7.6
1995–2011 95.9 94.3 × −1.6 1.0 −1.7 2.6 −2.2 −7.9 5.4
乳製品 全期間 89.1 64.8 −24.4 −141.4 −26.1 −115.2 117.1 68.0 49.1
1960–1985 89.1 84.6 −4.5 −119.4 −22.0 −97.4 115.0 92.4 22.6
1985–1995 84.6 71.8 −12.9 −22.9 −2.9 −20.0 10.0 −6.5 16.5
1995–2011 71.8 64.8 × −7.0 0.9 −1.2 2.1 −7.9 −17.9 10.0
砂糖 全期間 18.8 33.4 × 14.6 −14.8 −8.0 −6.9 29.5 7.5 22.0
1960–1985 18.8 32.5 × 13.7 −17.8 −6.1 −11.7 31.6 15.1 16.5
1985–1995 32.5 31.6 × −0.9 0.2 −1.2 1.3 −1.1 −4.5 3.4
1995–2011 31.6 33.4 1.8 2.8 −0.6 3.4 −1.0 −3.1 2.1
濃厚飼料 全期間 31.3 12.1 −19.2 −15.4 −4.0 −11.3 −3.8 4.5 −8.4
1960–1985 31.3 10.6 −20.8 −16.6 −3.5 −13.1 −4.2 7.3 −11.5
1985–1995 10.6 10.6 0.0 0.3 −0.4 0.7 −0.3 −1.2 0.9
1995–2011 10.6 12.1 1.5 0.9 −0.2 1.1 0.6 −1.6 2.2

1)Δsにある〇は需要要因の絶対値>生産要因の絶対値,×は需要要因の絶対値<生産要因の絶対値である品目.

2)理論的にΔs=①+②,①=Ⅰ+Ⅱ,②=Ⅲ+Ⅳも,離散量により誤差が発生し,等号は必ずしも成り立たない.1985–1995濃厚飼料の計算結果は|①|>|②|で〇も,小数点第2位での四捨五入により,表では|①|=|②|.

1が要因分析結果である.まず各品目1段目の1960年から2011年までの食料自給率変化Δsを検討する.表の読み取り方は以下のとおりである.小麦を例に見ると,食料自給率変化Δsは,①需要要因では需要増加による9.7ポイント減と②生産要因では生産減少による17.8ポイント減に分解できる.さらに①需要要因は,Ⅰ人口要因では人口増加による4.3ポイント減と,Ⅱ一人当たり需要量要因では一人当たり需要量増による5.3ポイント減に分解できる.②生産要因は,Ⅲ作付面積・頭数では作付面積・頭数の減少による17.7ポイント減と,Ⅳ単収要因では単収減による0.1ポイント減に分解できる.Δsの前に○がついているものが需要要因の絶対値>生産要因の絶対値である品目で,×がついているものが需要要因の絶対値<生産要因の絶対値である品目である.

長期である全期間でみると,需要要因の絶対値>生産要因の絶対値の条件を満たし,食料自給率が,農業の生産要因よりも消費の需要要因により大きく影響を受けていると判断できるものは野菜,果実,牛肉,豚肉,鶏肉,鶏卵,乳製品,濃厚飼料の8品目である.逆に,需要要因の絶対値<生産要因の絶対値であるものは小麦,大豆,いも類,砂糖の4品目にすぎない.以上のことから,長期である全期間でみると,食料自給率変化は,生産要因よりも需要要因により大きく影響を受ける品目数の方が多いことが明らかになった.これは「日本の食料自給率は,長期でみると,農業の生産要因よりも消費の需要要因により大きく影響を受けやすい政策指標である」という作業仮説支持を示唆する結果と考える.

一方,短期でみると,必ずしも生産要因よりも需要要因により大きく影響を受ける品目数の方が多い結果とはならず,食料自給率の需要要因と生産要因は時期ステージごとの時代背景などから様々な影響を受ける.この点を3つのステージ区分の分析結果から確認して行こう.

まず,第1ステージの1960年から1985年はプラザ合意までの時期であり,食生活と農業生産が急速に変化した.このため,人口増加や畜産物などの一人当たり需要量の大幅な増加などにより,需要要因は食料自給率を大幅に低下させる傾向で作用した.一方,家畜頭数や単収・一頭当たり生産量の大幅な増加などにより,生産要因は食料自給率を大幅に向上させる傾向で作用した.この時期は,需要要因の絶対値>生産要因の絶対値である品目数(8品目)が需要要因の絶対値<生産要因の絶対値である品目数(4品目)よりも多かった3

次に第2ステージの1985年から1995年は食生活の変化は落ち着きつつある一方で,プラザ合意による円高傾向などにより,日本農業の競争力が低下した.このため,人口増加や畜産物などの一人当たり需要量増加の程度が鈍化しつつあり,需要要因が食料自給率を低下させる作用の程度は第1ステージよりも小さくなった.一方,作付面積・家畜頭数や単収・一頭当たり生産量の縮小傾向などにより,生産要因は食料自給率を低下させる傾向で作用した.この時期は,需要要因の絶対値>生産要因の絶対値である品目数(5品目)が需要要因の絶対値<生産要因の絶対値である品目数(7品目)よりも少なくなった4

最後に第3ステージの1995年から2011年は農業生産の縮小傾向が継続する一方で,少子高齢化・人口停滞が進展して食料需要も停滞傾向となった.このため,人口や畜産物などの一人当たり需要量の停滞傾向が継続し,需要要因は食料自給率を向上させる傾向で作用するようになった.一方,作付面積・家畜頭数や単収・一頭当たり生産量の縮小傾向は継続し,生産要因は引き続き食料自給率を低下させる傾向で作用した.この時期は,需要要因の絶対値>生産要因の絶対値である品目数と需要要因の絶対値<生産要因の絶対値である品目数が同じ(6品目)になった5

食料自給率を長期と短期で比較した場合,注目されるのは人口要因の影響である.表1をみると,人口要因は,長期でも短期でも全品目で,全て食料自給率を低下させる影響で作用している.とはいえ,人口要因が食料自給率を低下させる影響の大きさは,短期でみると長期よりも小さい.このため,食料自給率に及ぼす人口要因の重要性は,長期でみて行かないと見落としやすい.もし本論文と同じ50年という長期スパンで将来を見通すと,今後,日本の人口は大幅に減少することが見込まれている.こうした将来見込まれる大幅な人口減少が,今後食料自給率を減少させるのではなく,増加させる方向に作用して行く点は,とりわけ注目される.

4. 結論

本論文では「日本の食料自給率は,長期でみると,農業の生産要因よりも消費の需要要因により大きく影響を受けやすい政策指標である」という作業仮説検証を試みた.この仮説を検証するため,1960年から2011年の期間で食料自給率変動の要因分解分析を試みた.さらに需要要因は日本の総人口と一人当たり需要量,生産要因は作付面積・頭数と単収(作付面積・頭数当たり生産量)の要因に峻別して分析した.主な分析結果は,次の通りである.

1960年から2011年までの約50年という長期にわたる食料自給率変化は,生産要因よりも需要要因により大きく影響を受ける品目数の方が多かった.これは「日本の食料自給率は,長期でみると,農業の生産要因よりも消費の需要要因により大きく影響を受けやすい政策指標である」という作業仮説支持を示唆する結果と考える.

一方,短期でみると,食料自給率の需要要因と生産要因は,時期区分ステージごとの時代背景から様々な影響を受けることが明らかとなった.また,長期でみなければ,食料自給率に及ぼす人口要因の重要性は見落とされやすい点も示唆された.

謝辞

本論文の草稿を第64回地域農林経済学会大会(2014年10月18日,京都府立大学)で報告した際に,座長の宇山満先生(近畿大学),また藤本高志先生(大阪経済大学),國光洋二先生(農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所),佐藤豊信先生(岡山大学),渡邊正英先生(大阪経済大学)から有益なご意見を頂いた.また本誌審査員の有益なご指摘により,大幅に内容が改善できた.これらの方に深く謝意を表する.本稿は,JSPS科研費 26252036,23580308の助成を受けた研究成果の一部である.

1  本稿では食料自給率変化の要因として,品目別食料自給率の定義式から導かれる要因に限定して分析した.本稿で取り上げた以外の食料自給率に及ぼす要因を分析した既存研究として,社団法人食品需給研究センター(2011)などがある.

2  農林水産省(2000)生源寺(2008)では,1985年頃前後で,食料自給率の低下要因が食生活への変化から農業生産の後退へと移行した点を指摘している.

3  需要要因の絶対値>生産要因の絶対値である品目は野菜,果実,牛肉,豚肉,鶏肉,鶏卵,乳製品,濃厚飼料の8つ,需要要因の絶対値<生産要因の絶対値である品目は小麦,いも類,大豆,砂糖の4つである.

4  需要要因の絶対値>生産要因の絶対値である品目は牛肉,鶏肉,鶏卵,乳製品,濃厚飼料の5つ,需要要因の絶対値<生産要因の絶対値であるものは小麦,いも類,大豆,野菜,果実,豚肉,砂糖の7つである.

5  需要要因の絶対値>生産要因の絶対値である品目は大豆,牛肉,豚肉,鶏肉,砂糖,濃厚飼料の6つ,需要要因の絶対値<生産要因の絶対値であるものは小麦,いも類,野菜,果実,鶏卵,乳製品の6つである.

引用文献
 
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