2016 年 52 巻 4 号 p. 241-246
本研究では,フィリピン・カガヤン州ゴンサガ町の2つの海洋保護区(MPA)を事例に,地域住民のMPA管理への参加についてその規定要因を分析した.同町内でMPAを持つ3村の内,サンホセ村から150,カシタン村から100,計250世帯を住民台帳から無作為抽出し,2015年3月に調査員が訪問して現地方言でインタビューする質問紙調査を行った.これにより社会経済条件や世帯特性,漁業経営の状況,MPAに関する認識・意見や管理への関与等のデータを収集した.LRチョウ検定により漁家と非漁家でデータの構造が異なることが分かったため,漁家,非漁家のデータセットに分け,MPA管理への参加の規定要因をプロビット分析した.その結果,漁家においては漁業所得,農業所得,(禁漁区に代わる)代替的な生計支援事業への参加の有無,パヤオの必要性等,非漁家では年齢,社会関係(村役場職員か否か)等の要因が関係していることが分かった.