2021 年 57 巻 2 号 p. 46-52
The use of IT is one of the most important strategies for the future of agriculture. In Yabu City in Hyogo prefecture, not many, but some private farmers are interested in it. We analyze the determinants of IT use and willingness of farmers to pay for IT in agricultural management, using the farm household data of Yabu City. Our empirical results based on ordered probit and Tobit models find that the number of days engaged in agriculture, intention of machine renewal, having PCs, smartphones, and mobile phones, and agricultural income have positive correlations and older age has negative correlations with IT use and willingness to pay for IT. Farmers who know what companies of the National Strategic Special Zone in Yabu City do are willing to spend more money on IT. Moreover, a sense of fulfillment with agriculture increases IT use and willingness to pay for IT. However, feeling worth living does not do significantly.
本研究は,農家の農業経営における情報技術(コンピュータやネットワークといった情報処理に関した技術の総称,以下ITと略す)の利用の決定要因を計量的に分析する.農業において,情報技術を駆使することは,今後の一つの戦略といえる.IT利用の例として,インターネットで栽培・市況等の情報を収集することや,農作業履歴や出荷履歴の記録,センサーを利用した農場の環境測定等様々なものがあるが,有効に取り入れることは重要である.南石(2019)に紹介されるように,法人においては,自動化技術やロボット技術を導入した大幅な省力化や高度なIT技術を用いた農業が行われている場合もあるが,個人の農家で大規模なロボット等は,費用の面から難しいかもしれない.しかし,個人農家の生産を無視することはできず,各農家の取り組み次第で,今後の生産性は大きく変化するだろう.現時点で高度で高価な技術導入は困難かもしれないが,小規模な農家でも,パソコンやスマートフォン等を使用して,農業経営に活用することは可能である.本稿では,農業経営へのIT利用例として,農林水産省(2012)で農家に対するアンケート調査で用いられた選択肢を想定して議論する.ここには例えば,インターネットによる栽培,防除,気象,市況等の情報収集,インターネットによる商品の販売やホームページによる商品情報の発信等,経理事務や経営に関するデータ分析,農作業履歴や出荷履歴の記録,作業計画や出荷計画の作成,センサーやカメラ等を活用した圃場(畜舎)の環境測定,農業技術(飼養管理技術)のデータベース化,販売者と連携した出荷情報や需要情報の供給が含まれる.
本研究では,兵庫県中北部に位置する,養父市の農家を取り上げた.養父市は,2014年に,中山間農業改革特区の国家戦略特区に制定された.養父市は,中山間地域であり,農業をはじめとする人口の高齢化が深刻であり,耕作放棄地も増加しているが,株式会社の農地取得など,種々の規制緩和を行い,2020年現在,12の企業が特区事業者として農業に参入している.ITを取り入れた積極的な農業を展開している事業者もあり,2019年には,農林水産省の「スマート農業実証プロジェクト」にも採用されている.それに参画している事業者は,ロボットトラクタによる自動走行,ICT田植え機による自動直進走行等を実証している.他にも,小規模閉鎖型屋内野菜生産場(植物工場キット)を設置し,施設内で,レタスを栽培している事業者や,ドローンによる農地管理の実現に向け,大手通信事業者とタイアップしてのドローン実証を開始している事業者などがある.また,特区事業者は,周囲の農家と交流や草刈り等の協力がある.養父市の特区事業者以外の一般の農家に関しては,農業をやめたいと考えている農家が約4割もいる現状である.しかし,ITを農業経営に利用している農家全体の約8%と割合では小さいが,軒数では82軒もあり,今後取り入れたい農家を入れると127軒いるという状況であり,農業に積極的な農家も一定数存在する(衣笠他,2020).
ITを新たに農業に取り入れて,生産方法を改善していくことは,技術革新の一環として考えられる1.この考えは,Hayami and Ruttan(1970)により展開された誘発的技術革新のアイデアに端を発し,多くの計量的研究が展開された.また,開発経済学で,Bardhan and Udry(1999),福井他(2019)等で紹介されているように,技術の採用に関して,曖昧さ回避,危険回避,現在バイアス等を考慮したモデルが考案されており,主に,開発途上国のデータを用いて実証研究がなされている.日本の最近の技術革新に関する事例研究として,南石(2017)が,日本の稲作経営を対象としたアンケート調査を基に,農地規模の拡大に伴い,事業・市場・技術・経営の革新が進むと結論付けている.
農業におけるIT導入の決定要因に関しては,農業法人経営におけるICT(情報通信技術)活用の要因について示した計量分析が行われてきた.これらによると,野菜や果樹,畜産等商品価値が比較的高い作物(石戸,2016;竹内・南石,2013),企業規模の大きい法人(石戸,2016;南石他,2013),関西地域において(石戸,2016)それぞれICTが活用される傾向にあることなどが示された.
以上のとおり,農業において,ITを活用していくことは重要であり,農業法人のIT活用に関しては,ある程度の先行研究があるが,個人の農家のIT利用について,考察している先行研究はなかった.農業法人のより高度なIT利用推進は望まれるが,大部分の農業生産は,個人経営の農家によるものであり,農家のIT利用も無視して考えることはできない.また,多くの農家がITを利用すれば,より効果的な生産が期待されるため,その決定要因を吟味することは有益であろう.
本論文は,以下のように構成されている.まず,第2節で,計量分析モデルとデータについて解説する.第3節では,養父市の農家データを用いた計量分析結果について議論する.最後に,第4節で,本論文を総括し,結論を述べる.
本研究は,2019年に,兵庫県養父市の全農家に対して行ったアンケートのデータを用いている.農家アンケートは,農家の中で,最も年間農業従事日数の多い者に記載するよう依頼した2.農家アンケートでは,農地や農業者の基本的性質に加え,IT利用状況や今後の利用意思,ITへの支払い意思額,健康・生活,国家戦略特区に対する見解等を尋ねた3.ここで,まず,IT機器等を今後,農業経営へ利用したいかという問いに対し,「これまでにも農業に利用しており,今後も利用したい 」という回答を2,「これまで農業に利用していないが,今後は利用したい」との回答を1,それ以外の回答を0とする変数を考える4.この決定要因を順序プロビット分析により推定する.また,IT機器等を農業経営に利活用する場合,年間どの程度ならお金をかけようと思うかという質問への回答の決定要因も検証する.0円と回答した農家が多いことから,0円を打ち切り点とするトービット分析を行う.また,養父市には,ほとんど販売していない農家も多いが,農業に実質的に従事しているサンプルを考え,収集したデータのうち,農家全員の年間農業従事日数の合計および農業所得が正の農家のみ分析対象とした.なお,モデル選択は,AIC(赤池情報量基準)に基づいて行った5.本研究では,農業経営におけるIT利用の便益,費用を考え,便益が大きい場合は,IT利用を促進し,IT利用の費用が大きい場合は,IT導入を抑制すると仮説を立てる.また,ここでの便益や費用は,金銭的な要因だけでなく,心理的な要因も含める.まず,便益面に関して,年間農業従事日数が多い農家は,IT利用により,より多くの便益を見込めると予想される.高齢の農家は,寿命や体力の限界から,今後農業を続ける年数が少なく,IT利用の便益がより少なく感じられると思われる.農業機械を更新する意思のある農家は,より農業を長く続ける意思があり,IT利用の便益が長期にわたると予想される.国家戦略特区の取り組み内容を知っている農家は,特区事業者の積極的なITの活用を知っており,IT利用の便益をよりプラスに感じている可能性がある.
後継者がいる農家は,次世代にも農業が引き継がれる予定であるので,よりIT利用の便益が高く,若年者のITへのサポートがあるため,IT利用の心理的コストが小さくなると予想される.
主に費用面に関わる要因として,まず,パソコン(PC)やスマートフォン,携帯電話を持っている農家は,ITを利用する下準備がより整っていると考えられ,IT利用の物理的,あるいは心理的なコストが低くなり,IT利用する傾向にあると思われる.さらに,新しいことに対する心理的コストを決定する要因として,生きがいと農業についてのやりがいを考慮することにした.生きがいや農業についてのやりがいを強く感じている農家は,より,新しいことをすることへの不安よりも意欲や好奇心があると思われ,IT利用を推進する傾向にあると仮説を立てた.また,農業所得が高い農家は,IT利用の費用があまり負担にならない可能性があり,IT利用に積極的になると予想される.
従属変数のデータ作成法は,先述した通りであるが,独立変数に関して,まず,年間農業従事日数は,当該農家の全ての人員の年間農業従事日数の和である.年齢は,アンケートの回答者,すなわち農家の中で,一番農業従事日数の多い個人の年齢のデータを使用した.機械更新ダミーは,「あなたは,今後,農業機械を更新する予定ですか.」という問いに対し,ほとんど,あるいは,一部は更新する予定であると答えた農家を1,そうでない農家を0とするダミー変数である.特区取組認知ダミーは,特区事業者の取組み内容について,良く知っている,あるいはある程度知っていると回答した農家を1とするダミー変数である.
また,IT関連の準備状況として,所有しているIT機器を全て選択するよう尋ねたが,そのうち,「パソコン」を選択した者には1,選択しなかった者には0とする「PC所有ダミー」の変数を作成した.同様に,「スマートフォン・タブレット端末・PDA等」を選択した農家を1とする,「スマホ所有ダミー」.携帯電話を選択した農家を1とする「携帯所有ダミー」を含めた.生きがいについては,回答者が感じている生きがい(喜びや楽しみ)において,最高点を10,最低点を0として,その数値を尋ねたものである.また,農業のやりがいの変数として,農業についてやりがいを感じるという項目への回答に関して,「非常にあてはまる」を5,「ややあてはまる」を4,「どちらともいえない」を3,「あまりあてはらない」を2,「全くあてはまらない」を1とする変数を作成した.最後に,各農家に年間の農業からの所得は何万円かを尋ねた.
使用した変数の記述統計量は,付表1のとおりである.データを概観して,IT利用意思の変数の平均が0.25で,ITを利用しておらず,今後も利用する意思のない農家(段階0)が424軒(82.5%)と最も多く,現在利用していないが今後利用したいという農家(段階1)が50軒(9.7%),現在利用しており今後利用したいという農家(段階2)が40軒(7.8%)あった.また,432の農家が,許容できるIT関連費用はゼロであったが,IT許容支出が正である農家は,平均18万円年間に支出してもいいと考えていることなどがわかった6.
ITへの利用についての順序プロビット・モデルによる計量分析結果は,表1に掲載されている.年間農業従事日数は正で有意,年齢は負で有意,機械の更新予定は正で有意であり,我々の仮説は支持された.特区取組認知ダミーは,係数が正で我々の仮説と整合的であるが,有意ではなかった.後継者がいることは,我々の仮説に反し,IT利用に有意な影響を及ぼさないという結果であった.
| 変数 | 係数 | 標準誤差 | 平均限界効果 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 利用意思無 | 今後利用意思有 | 既に利用 | |||
| 年間農業従事日数 | 0.00151*** | 0.000465 | −0.000301*** | 0.000190** | 0.000118*** |
| 年齢 | −0.0149** | 0.00698 | 0.00304** | −0.00187 | −0.00117** |
| 機械の更新予定ダミー | 0.422*** | 0.159 | −0.0861*** | 0.0530** | 0.0330** |
| 特区取組認知 | 0.0927 | 0.153 | −0.0189 | 0.0117 | 0.00727 |
| 後継者ダミー | 0.162 | 0.204 | −0.0330 | 0.0204 | 0.0127 |
| PC所有ダミー | 0.646*** | 0.245 | −0.132*** | 0.0813** | 0.0506*** |
| スマホ所有ダミー | 0.381** | 0.173 | −0.0777** | 0.0479** | 0.0298* |
| 携帯所有ダミー | 0.378** | 0.170 | −0.0771** | 0.0475** | 0.0296** |
| 生きがい | 0.0446 | 0.043 | −0.00911 | 0.00561 | 0.00350 |
| 農業のやりがい | 0.250*** | 0.090 | −0.0510*** | 0.0314*** | 0.0196*** |
| 農業所得 | 0.00280*** | 0.00107 | −0.000572** | 0.000352*** | 0.000219** |
| cut1 | 2.72*** | 0.670 | |||
| cut2 | 3.36*** | 0.685 | |||
| 観測数 | 514 | ||||
| 疑似決定係数 | 0.216 | ||||
| 対数尤度 | −235.5 | ||||
1)標準誤差はロバスト標準誤差である.*は10%,**は5%,***は1%水準で統計的に有意であることを示す.
2)cut1は,ITを農業経営に利用意思無と今後利用意思有の閾値,cut2は今後利用意思有と既に利用の閾値を表す.
IT利用の費用に影響する要因として,PCやスマートフォン・携帯電話を所持していることは,IT利用にプラスになることがわかった.特に,PC所有ダミーの係数が,スマホ所有ダミーや携帯所有ダミーの係数より大きく,PCを持っていることがIT利用に重要であると思われる.生きがいは,IT利用に有意な結果が観測されない一方,農業へのやりがいを感じていることは,IT利用に1%水準で正の有意な効果が観測された.農業所得は,IT 利用に1%水準で有意な正の効果があることが示された7.
表2は,農業経営に関するIT利用への支払い意思額の決定要因に関する推計結果である8.年間農業従事日数,年齢,機械の更新予定ダミー,縮小・離農ダミーは,表2と同様,我々の仮説通り,IT支出に有意な影響があることがわかった.養父市の国家戦略特区の取り組みを認知している農家は,ITにより多くの費用を支払う意思があることが見出された.後継者に関しては,IT支払い意思額に有意な結果が見られなかった.
| トービット分析 | OLS | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 変数 | 係数 | 標準誤差 | 平均限界効果 | 係数 | 標準誤差 |
| 年間農業従事日数 | 0.0308** | 0.0130 | 0.031 | 0.00218 | 0.00402 |
| 年齢 | −0.621*** | 0.304 | −0.621 | −0.101 | 0.093 |
| 機械の更新予定ダミー | 15.4*** | 4.80 | 15.4 | 2.28* | 1.25 |
| 特区取組認知 | 8.72* | 4.70 | 8.72 | 1.18 | 0.943 |
| 後継者ダミー | 4.68 | 5.50 | 4.68 | 0.0200 | 1.13 |
| PC所有ダミー | 14.2** | 6.60 | 14.2 | 1.69** | 0.795 |
| スマホ所有ダミー | 13.2*** | 5.85 | 13.2 | 1.63 | 1.44 |
| 携帯所有ダミー | 9.50* | 5.43 | 9.51 | 1.95 | 1.31 |
| 生きがい | 0.985 | 1.06 | 0.985 | 0.138 | 0.243 |
| 農業のやりがい | 4.76* | 2.73 | 4.76 | 0.0369 | 0.569 |
| 農業所得 | 0.0482*** | 0.0129 | 0.0482 | 0.0429*** | 0.0147 |
| 定数項 | −57.8** | 24.1 | 2.28 | 7.00 | |
| 観測数 | 514 | 514 | |||
| 疑似決定係数 | 0.129 | ||||
| 対数尤度 | −485.6 | ||||
| 自由度修正済決定係数 | 0.394 | ||||
1)標準誤差はロバスト標準誤差である.*は10%,**は5%,***は1%水準で統計的に有意であることを示す.
IT利用のコストに影響する要因として,PCを所有している場合は,ITに支払おうと思う金額が高くなることがわかった.スマートフォン・携帯電話は,IT支払い意思額には,有意な効果が観測されなかった.IT導入には,スマートフォンを持っていることがプラスに働くが,スマートフォンを持っていることは,ITに多くの金額を支払おうというインセンティブにはならないことがわかった.生きがいについては,表1と同様,IT支払意思額に有意な影響が観測されなかった.農業へのやりがいは,10%水準ではあるがIT支払意思額に有意な正の相関が見られた.また,農業所得は,IT支払い意思額を増加することが観測された.
表1・表2の結果を概観して,表1のIT導入の決定要因に関する推定結果の方が有意な変数が多く,我々が仮説を立てたように,IT利用の便益や費用は,ITを取り入れるかどうかという入り口の問題に大きな影響を与えることがわかった.年間農業従事日数や機械の更新予定は,IT利用の便益を増加させ,年齢は,便益を低下させることが見出された.PCやスマートフォン・携帯電話を所有していること,農業にやりがいを感じていること,農業所得が高いことは,農業経営におけるIT利用の金銭的あるいは心理的な費用感を下げることがわかった.
先行研究と比較して,石戸(2016)や南石他(2013)で,企業規模の大きい法人がICTを取り入れる傾向にあったが,これは,農業所得がIT利用やITへのより多くの支出を促すという結果に通じるものがあろう.また,竹内・南石(2013)のように,法人においては,ITに詳しい人材がいることが重要であったが,ここでも,PCやスマートフォンの所有等につながるものと思われる.また,個人の農家のIT利用については,これまで計量研究が行われていなかったが,農業のやりがいといった,農業者の精神的な要素がIT利用に影響していることが見出されたことは,一つのポイントである.これらは,法人のデータからは入手し難い情報であり,今後の農業のIT利用に重要な示唆となろう.
本稿では,農家の農業経営におけるIT利用の決定要因の計量分析を行ったが,農家のIT利用の推進には,年間農業従事日数が多いこと,年齢が若いこと,機械を更新する予定であること,農業にやりがいを感じていること,農業所得が高いこと等が,重要であることがわかった.
農家の農業経営におけるIT利用を促進するための政策として,まず,機械の更新を補助するなど,機械の更新を促すことが重要であろう.それから,PCが使えない農業者には,使えるようにすることが重要である.無料,あるいは安価な講習会などを開き,PCに対する抵抗感を払しょくすることは一案である.また,スマートフォンや携帯電話もITの関心に有意な影響が観測されたので,IT導入を左右すると予想される.農業者に役立つアプリケーションを紹介するなど,スマートフォンの魅力を宣伝することも,検討されるべきである.
また,農業だけでなく,全般的な生活から得られると思われる生きがいでは,農業経営におけるIT利用に有意な影響が見られなかったが,農業にやりがいを感じる農業者は,IT利用に積極的である傾向が見られたので,農業者が農業についてどう感じているかをより詳しく分析し,各農家の農業から得られる満足感を高める方法を探すことが重要だと思われる.例えば,農家同士の交流を高めたり,消費者と交流し,自己肯定感を高めたりする方策が有効かもしれない.
さらに,養父市の国家戦略特区の事業者取り組みを知っている農家は,IT利用により多く支払う意思があることが見出された.特区事業者と周辺農家の関係は,より詳細な検討が必要であるが,農家に対して,よりITや技術面に重点を置いた広報が有益な可能性がある.
本研究では,個々の農業者のIT利用の決定要因を計量的に検討したが,IT利用の項目別に考察することや,IT利用が農家の生産性にどのくらい貢献するのかを考察することは,今後の研究課題である.さらに,6次産業化等,IT利用以外の既存の枠組みを超えたチャレンジの決定要因も研究し,農業者の新たな局面への挑戦の決定要因を比較することも重要である.
本論文作成に当たり,山口三十四名誉教授(神戸大学)に貴重なコメントをいただいたことに,心よりお礼申し上げます.なお,本研究は,JSPS科研費JP18K11752,JP19K15927の助成を受けて実施しました.
| 変数 | 観測数 | 平均 | 標準偏差 | 最小値 | 最大値 |
|---|---|---|---|---|---|
| IT利用意思(3段階) | 514 | 0.253 | 0.588 | 0 | 2 |
| 年間IT支払い意思額(万円) | 514 | 2.852 | 12.941 | 0 | 200 |
| 年間農業従事日数(農家当たり延日数,日) | 514 | 173.948 | 148.872 | 5 | 965 |
| 年齢(歳) | 514 | 68.177 | 9.817 | 28 | 94 |
| 機械更新ダミー | 514 | 0.228 | 0.420 | 0 | 1 |
| 特区取組認知ダミー | 514 | 0.560 | 0.497 | 0 | 1 |
| 後継者ダミー | 514 | 0.130 | 0.337 | 0 | 1 |
| PC所有ダミー | 514 | 0.691 | 0.463 | 0 | 1 |
| スマホ所有ダミー | 514 | 0.510 | 0.500 | 0 | 1 |
| 携帯所有ダミー | 514 | 0.663 | 0.473 | 0 | 1 |
| 農業のやりがい(5段階) | 514 | 3.494 | 1.009 | 1 | 5 |
| 生きがい(10段階) | 514 | 6.226 | 2.078 | 0 | 10 |
| 農業所得(年間:万円) | 514 | 37.742 | 173.341 | 0 | 3000 |