抄録
本研究は、食品に由来するメタボリックシンドローム予防因子を探索、その作用機構を明らかにすることを目的として行われた。
高脂肪食負荷マウスを用いてヤマブシタケの脂質代謝改善作用を検討したところ 、体重増加の抑制、血清中性脂肪濃度の低下、脂肪肝改善作用が認められ、そのメカニズムの少なくとも一部はヤマブシタケに含まれるペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体α(PPARα)アゴニストが肝臓中の脂質代謝関連遺伝子の発現を上昇させることによるものであることが示唆された。ヤマブシタケのヒトにおける作用を検証したところ、その血中中性脂肪低下作用は明確にならなかった。
ダイズに含まれるレニン阻害物質を単離し構造を解析したところ 、ソヤサポニンIと同定された。ソヤサポニンIを含むダイズサポニンによる血圧上昇抑制作用を検討したところ、経口投与により高血圧自然発症ラットの血圧上昇を抑制することが示されたことから、ダイズサポニンはin vivoにおいてもレニン活性を阻害することが示唆された。
以上の結果により、本論文ではヤマブシタケの脂質代謝改善作用と、レニン阻害成分による血圧上昇抑制作用のメカニズムの一部を解明することができた。これらは抗メタボリックシンドローム活性を持つ食品成分であり、メタボリックシンドロームの予防・改善に資する可能性がある。今後、本成分を用いた新たな機能性食品の開発が期待できる。