2023 年 16 巻 p. 14-24
本研究では,日本の小学校,中学校,高等学校の通常の学級での集団随伴性を用いた支援に関する実践研究論文を概観し,研究動向について整理した。分析対象の論文は,小学校等の通常の学級で実施された集団随伴性を用いた支援の実践研究論文29編であった。小学校で実施されていた研究が25編,高等学校は3編,中学校は1編のみであった。集団随伴性の類型は,相互依存型を適用した研究が多く,非依存型を適用した研究,相互依存型と非依存型の両方の手続きを適用した研究もあった。標的行動は,準備・片付け行動が最も多く,課題従事行動や他児の向社会的行動を報告する行動等もあった。集団随伴性を用いた支援の効果として,児童生徒の適切行動の増加,問題行動の減少を示した研究が多かった。一方,報告数は少ないものの,援助行動の増加,抑うつ症状の低減,テスト成績の向上も示されていた。通常の学級での集団随伴性を用いた支援に関する実践研究の今後の課題を指摘した。