2025 年 18 巻 p. 37-48
これからの学校教育では個人や社会のウェルビーイングを目指す方向性が示されており,社会情動的スキル育成への関心が高まっている。本研究では,子どもたちの社会情動的スキルの育成の観点から,学校における心理支援の在り方を再考し,より発展的な方向性を探ることを目的とした。その結果,生徒指導の重層的支援構造に基づき,子どもの社会情動的スキル育成を支援目標に据えつつ,エビデンスに基づく実践を進めることの重要性が示された。さらに,国内外で重視されている子どもの権利や社会参画の動向を背景として,子どもたちが主導しつつ,大人と協力しながら研究や社会活動に参画することで,社会情動的スキルの育成を促す可能性があることも示唆された。以上を踏まえ,すべての子どもたちの社会情動的スキルの育成を共通の目標として,学校における心理支援の在り方を捉え直しつつ発展させ,子どもと大人が協力しながらメンタルヘルスにやさしい学校・社会の共創を目指していくことの必要性について考察した。