2025 年 18 巻 p. 26-36
本研究は,いじめ被害に遭いやすさである「いじめ被害脆弱性」に関する研究動向を概観した上で,新たないじめ予防・防止アプローチの在り方について提言するものである。日本の先行研究においては「いじめ被害脆弱性」として,コミュニケーションスキル,パーソナリティ特性,発達障害,性的マイノリティ,社会階層,身体的特徴等に関する視点が見られた。これらの視点について,「本人にはどうしようもないこと」「アプローチにより変容できること」に区分し,さらに「アプローチにより変容できること」について「アプローチが本人のWell-beingにつながる可能性がある場合」「アプローチが本人のWell-beingにつながらない可能性がある場合」として整理した。その上で「アプローチが本人のWell-beingにつながる可能性がある場合」についての「いじめ被害脆弱性」への具体的アプローチの可能性を提案した。