抄録
「造形遊び」が教育現場に定着していくための、指導者の具体的な活動内容への理解を補う一つとして、材料と児童の行為とのつながりを明確にする必要があると考えた。そこで、本論では、実践を通して児童の姿から、材料がどのように行為を引き出し、広げているのかを明らかにすることを目的とする。紙コップとペットボトルの蓋をそれぞれ使用した小学1年生の実践を分析した結果、材料の特徴・特性が行為を引き出していた。また、二材料には、「形の特徴」、「色」、「材質」、「発展・変化への柔軟さまたは困難さ」、「経験の積み重ね」、「数量」、「身体との関係」、「行為の組み合わせ」、「集団(協働)性」の9項目が共通する要素として見出され、これらが材料と行為をつなげていることが明らかになった。これらを〈行為の広がりの要素〉として、「造形遊び」における材料選びの指針として活用することを提案した。