2012 年 11 巻 2 号 p. 12-20
本稿では,ユビキタスコンピューティング社会における「ウェアラブル型インタフェース」として筋電位信号を利用したミュージックインタフェースの提案を行う.前腕部から計測した表面筋電信号の各指の信号パターンを基に,手の指運動を識別し.それらのパラメータを入力として用いて,音を制御する筋電ピアノシステムを作成した.このシステムを利用すると,手指の動きと筋電信号をコントロールすることで,楽曲演奏が可能となる.このシステムでは,手自身へのデバイス装着が不要であり,日常動作に障害とならず,場所や場面を問わず音楽の演奏が可能となる.本提案は,筋電ピアノシステムの提案,ということのみならず,ウェアラブル技術としての表面筋電信号の新しい利用方法を模索するものとの位置づけも可能である.