東北理学療法学
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研究論文
直線偏光近赤外線の星状神経節近傍照射を用いた肩手症候群を有する脳卒中後片麻痺患者の麻痺側上肢機能改善に関する検討
照井 駿明吉田 英樹前田 貴哉
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2016 年 28 巻 p. 20-26

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抄録

本研究では,直線偏光近赤外線(LPNR)の星状神経節(SG)近傍照射が,脳卒中後肩手症候群(SHS)患者の疼痛や関節可動域制限といった臨床症状を改善し得るか否か検討することを目的とした。対象は,脳卒中患者13名に対して,【実験1】安静背臥位を15分間保持(馴化時間)後,10分間のLPNRのSG近傍照射と,【実験2】馴化時間終了後,10分間の安静背臥位を実施した。検定項目は,手指皮膚温と,Numeric rating scale(NRS),肩関節屈曲可動域(肩屈曲ROM)とした。結果,手指皮膚温について,実験1,2ともに有意な皮膚温の上昇を認めた。肩屈曲ROMとNRSについて,実験1では有意なROMの拡大,NRSの減少を認めたものの,実験2では有意な変化は認められなかった。以上から,LPNRのSG近傍照射が,SHS患者の臨床症状を改善させる可能性が示唆された。

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© 2016 公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
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