2017 年 29 巻 p. 50-53
デジタルビデオで撮影したプラスチックゴニオメータの角度を計測した基礎研究(2015)では,被写体が45°回旋した斜投影面でも,また撮影画面の端に近い範囲でも誤差の少ない角度測定が可能であった。同等 の結果が,身体動作を対象とした場合でも得られるか確認することを目的とした。対象は健常成人7名とした。デジタルビデオカメラを2台用い,1台は被検者の立ち上がり動作を正投影面で撮影画面中央で撮影し, もう1台は45°回旋した斜投影面で撮影画面の端に被検者が映るように設定し同じ動作を同時に撮影した。 離殿時の膝関節の屈曲角度を測定し,正投影面と斜投影面の測定角度の誤差と級内相関係数ICC(1,1)を求めた。結果,誤差は±5°未満で,ICC(1,1)はρ=0.95であった。結果より,正投影面と斜投影面の測定角度には 誤差が少なく,信頼性が高いことが分かった。つまり,筆者らの先行研究で得られた知見は,身体動作を対象とした動作分析にも適用可能であった。