東北理学療法学
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研究論文
脳卒中後の痙縮発症に関する予測因子の調査:論文レビュー
渡邊 慎吾須賀 康平小野 修江川 廉茂木 崇宏櫻井 佳宏小関 忠樹
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2018 年 30 巻 p. 66-73

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抄録

脳卒中後の痙縮は,運動機能の回復を阻害する可能性を有することから,早期に痙縮発症の要因を同定することが重要であると考えられる。そこで,本レビューは脳卒中後早期の痙縮発症の予測因子を調査する

ことを目的とし,論文レビューを実施した。データベースはPubMedを用いた。論文検索は,spasticity

post stroke spasticityの2つの用語にstrokecerebrovascular accidentCVApredictorsrisk factorsを組み合わせて実施した。すべての検索は2017年5月22日までに終了した。最終的に15編の論文が

採用された。痙縮発症の予測因子は,運動機能に関する報告が最も多かった。その他に,感覚機能,疼痛,年齢等の患者属性,臨床経過および脳の損傷部位が挙げられた。痙縮発症の要因を早期に同定し,リハビリテーションおよび薬物治療を実施することは,さらなる運動機能の回復や介護負担の軽減および治療コスト削減をもたらす可能性がある。

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© 2018 公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
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