2020 年 32 巻 p. 28-33
本研究の目的は,転倒予防自己効力感を評価するthe Fall-Prevention Self Efficacy Scale(以下,FPSE)を用いて,地域高齢者の転倒予防自己効力感とバランス能力および筋力の関連を検討することである。対象は,当院外来リハビリテーション患者(以下,外来リハ患者)より抽出した51名(74.6±8.2歳,男性17名,女性34名)である。対象者には,FPSEに記載後, 4項目(TUG,FRT,片脚立位テスト,膝伸展筋力テスト)の体力テストを実施した。統計解析はPearsonの相関分析にて相関係数を求めた後,FPSE を従属変数とした重回帰分析(ステップワイズ法)を用いた。結果,FPSE とTUGの間に有意な負の相関を認め(r=-0.42;p<0.01),FPSEと右片脚立位時間の間に有意な相関を認めた(r =0.32;p<0.05)。重回帰分析の結果,FPSE の説明変数としてTUG(t=3.22,p<0.01)および右片脚立位時間(t=2.34,p<0.05)が選択された。転倒予防自己効力感には身体機能面に加えて心理面や社会的側面が影響している可能性があることから,これらを考慮した上での多角的な検討が必要と考えた。