2023 年 35 巻 p. 17-24
【目的】在宅復帰に関連する因子は,年齢や日常生活動作,在院日数,認知機能が諸家によって述べられている。本研究の目的は,へき地において,在宅復帰が見込めると判断されたにも関わらず,実際には在宅復帰できなかったケースの基本属性,生活機能,環境要因の特徴を明らかにすることである。
【方法】へき地医療拠点病院において2018年4月1日から2021年3月31日の3年間にリハビリテーション(以下,リハ)を行った患者を対象に後方視的にデータを収集した。
【結果】在宅見込み群を,在宅復帰群と非在宅復帰群とで比較した結果,非在宅復帰群の特徴は男性であること,中枢神経疾患であること,要介護3および4であること,リハ初回実施時 FIM-c が低いこと,そして退院時移動能力が低いことが挙げられた。
【考察】へき地において在宅復帰をするには在宅生活中の生活状況や必要な支援の内容,支援者の特性,好む在宅介護サービスの傾向に関する考慮が必要であるという示唆が得られた。