人類學雜誌
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ハワイ諸島人の歯の形態について
酒井 琢朗
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1975 年 83 巻 1 号 p. 49-84

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抄録
筆者はハワイの Bishop 博物館所蔵のハワイ諸島人の歯の形態を調査し,その結果をアフガニスタンの Pashtun および日本人の成績と比較検討した。その結果,1.観察項目25項目39歯中,ハワイ諸島人と Pashtun との間に有意差のある項目は14項目21歯,ハワイ諸島人と日本人の間では15項印9歯であり,両人種との間にかなりの差違が認められた。2ハワイ諸島人の"類モーコ形質群"の出現率は,一般に Pashtun より高率であるが,日本人よりは低率でありほゞその中間に位置する。3.ハワイ諸島人の上•下顎大臼歯において,退化形態の出現率は他の2人種に比べて明らかに低率であり,とくに Pashtun との間には,著しい人種差が認められた。
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© 日本人類学会
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