人類學雜誌
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沼津市千本浜の首塚と関東地方の中世日本人頭骨
鈴木 尚
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1989 年 97 巻 1 号 p. 23-37

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抄録
本首塚人骨を,群馬県八幡平首塚をはじめ,他の中世人骨と骨学的に比較し,本首塚が伝説の通り,戦国時代に由来することを認めた。また中世の合戦には,男性のほか,常に女性が1/3ほど参加したらしい。頭骨の損傷の中には,貫通銃創を疑わせるものがあり,頭皮を剥ぎ,鼻をそぎ,鋸引きさかれたものもある。中世日本人の頭骨は,長頭型,広顔型など一連の現代人とはちがった形質を具え,鎌倉材木座人はその典型とみなされる。
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