人類學雜誌
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自動歩幅,歩調測定システムの開発
足立 和隆西澤 哲遠藤 萬里
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1989 年 97 巻 2 号 p. 201-217

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抄録
ヒトの歩行を研究する場合,正確な歩幅,歩調の測定が必要である.この測定のために数年前までに用いられた方法には,操作性,精度において問題があった.しかし最近,これらを自動的に測定するシステムが数種類開発されるようになった.これらのシステムより高い精度で計測が可能なように,今回開発した本システムでは,位置の分解能を 5mm とし,計測のサンプリングも 1000 の 1秒毎と,かなり速くした.測定部ではこの精度で立脚期における足底接触面の歩行進行方向の長さと位置も検出できるため,時間軸を縦軸に,長さ,位置を横軸にとった「一次元足跡図」(one-dimensional vestigigram) を作成した.この図と歩行時のフットプリントから,たとえば,踵が接地してからどのくらい後に中足骨遠位端部分が接地するか,さらには指が接地するかといったようなことがわかる.
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