抄録
プロクラステス法と薄板スプライン解析によりニホンザル大臼歯咬合面の形態を分析した。中心窩を原点,中心溝をX軸,頬・舌側溝をY軸とする座標系における標識点の座標値を計測した。プロクラステス法によって大きさの要素を除去すると,座標値の個体変異は小さくなった。形と大きさには有意な性差と歯種差が認められた。形と大きさの性差は発生の遅い大臼歯に強くあらわれ,歯の内部では発生の遅い遠心部ほど強かった。第一・第二大臼歯間の形にはほとんど違いがなかったが,第二大臼歯の方が有意に大きかった。第一・第三大臼歯間の形,大きさには顕著な違いがあった。薄板スプライン解析による第一大臼歯から第三大臼歯への変形は近遠心的な伸張と遠心部の頬舌的な圧縮であった。