亜熱帯のジョロウグモにおける網投資量の減少

抄録

亜熱帯地域である沖縄に生息するジョロウグモの網は, 温帯の東京に生息するジョロウグモの網よりも有意に面積が小さく, 縦糸および横糸の本数が少なかった. 最近の研究によると, クモは満腹時, 産卵前, 脱皮前に網への投資量を減少させることが知られているが, 沖縄のジョロウグモの網の特性はこれらのいずれによっても説明できない. 我々はこの現象について, 亜熱帯の気候に対する生活環の調節の観点から考察を試みた.