AUDIOLOGY JAPAN
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誘発耳音響放射と聴力との比較検討
千田 英二佐藤 信清川浪 貢柏村 正明坂本 徹福田 諭犬山 征夫
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1996 年 39 巻 2 号 p. 135-142

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抄録

正常聴力および内耳性難聴625耳において, 耳音響放射専用測定器ILO88を使用し誘発耳音響放射の測定を行い聴力と比較した。 聴力が正常でも耳音響放射が不良な症例が少なからず存在したため, 各指標において正常聴力耳と難聴耳とを明確に区別する値を求めることは困難であった。 そのため, 誘発耳音響放射の指標であるTotal Echo PowerおよびWhole Reproducibilisyそれぞれにおいて感度・特異度を算出し, 聴力正常と判定するためのカットオフ値について検討を行った。 TEOAEの特性上, 絶対的なカットオフ値を決定できないことより, いくつかのカットオフ値を症例ごとに適用することが臨床応用上実際的であると考えられた。

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