抄録
急性高度難聴調査研究班により設けられたムンプス難聴の診断基準に照らし合わせ, 当科にて経験したムンプス難聴68例 (一側性65例, 両側性3例) を再検討した。
1) 診断基準に照らし合わせた場合, 確実例39例, 準確実例1例, 参考例28例であった。
2) 本症の対象は幼児・学童が多いので難聴に関する問診が不確かであることは避けられず, 高度難聴の場合にはムンプスIgMを検査することが有用である。
3) 9例においては初診時の聴力検査後1日から7日で聾にいたる急速進行性の難聴であった。 全例で聾または残聴を認める程度の高度難聴で治療に反応した例はなかった。 従って難聴の発症様式と聴力予後の点からみて突発性難聴とは明らかに異なり, 2疾患の病態は異なるものと考えられる。