AUDIOLOGY JAPAN
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児童の難聴の推移
仙台市における30年間の検診結果
沖津 卓二堀 富美子佐藤 直子清水 麻里
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2000 年 43 巻 2 号 p. 141-147

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抄録

小学生の難聴の推移を, 仙台市における昭和43年度から平成9年度までの30年間の検診データにもとづいて検討し, 考察を加えた。
1) 対象人数は, 昭和56年度を境に減少に転じ, 少子化を反映して, その後も減少傾向が続いていた。
2) 難聴者は昭和47年度の1.94%をピークに年々減少していた。 その主な原因は滲出性中耳炎, 慢性中耳炎などによる伝音難聴の恒常的な減少であった。 感音難聴にも減少傾向がみられたが, 平成1年度以降は0.22-0.26%で大きな変化は認められなかった。
3) 難聴者は伝音難聴, 感音難聴ともに男子に多く, また片側性が多かった。
4) 一側高度感音難聴は平成1年度以降は徐々に減少し0.04%前後であった。
5) 滲出性中耳炎による難聴は減少しているが, 伝音難聴の50-60%を占め依然として伝音難聴の主要な原因疾患であった。

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