抄録
山口大学では、全学部におけるデータサイエンス関連科目の標準的な演習環境とするため、MoodleとJupyterHubを組み合わせたWeb型プログラミング教育システムを構築している。いくつかの大学から本システムの一般公開に関する要望が寄せられているが、現行システムは山口大学のMoodleシステム、ファイルサーバ、及びLDAPサーバの仕様を前提として設計・構築されているため、環境に依存する実装箇所が多く、一般公開が困難である。また、現行システムはオンプレミス環境に整備されているが、オンプレミス環境のみでは利用科目数及び同時両者数の増減への対応が困難である。そこで我々は、Web型プログラミング教育システムを国立情報学研究所が提供している学認クラウドオンデマンド構築サービス(OCS)上で実行可能なアプリケーションとして提供するための調査・開発を進めている。本稿では、Web型プログラミング教育システムの概要、環境依存箇所をはじめとする一般公開のための課題、及びこれまでの取り組みについて報告する。