抄録
東京大学では情報システムを利用する全構成員に対して毎年必須の情報セキュリティ教育を実施している。全構成員に対して研修やテストを実施するには専用の研修用プラットフォームが必要であったり、大規模な受講管理が必要であったりと困難点が多い。特に本学では、情報セキュリティ教育の未受講者に対してサービス利用を停止するという措置を実施しており、効率的な運営のためには情報セキュリティ教育の受講とサービス運用を連携させて実施する方法が不可欠であった。しかし、認証基盤としてクラウドサービスMicrosoft AzureAD(Entra ID)を利用しているため、ローコード実装により大学が契約する包括ライセンスの範疇でこれらの要件を満たす機能を実現できることが分かった。そして2023年度から予算をかけずにアカウント全利用者に対して情報セキュリティ教育を実施できるようになった。本稿ではその実施方法と成果について示す。