大学ICT推進協議会年次大会論文集
Online ISSN : 2434-9305
ISSN-L : 2186-7127
2023年度
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多要素認証必須化による新年度業務への影響評価
*根本 貴弘三島 和宏長島 和平青山 茂義
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p. 306-312

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抄録
東京農工大学では、2021年10月に学術情報基盤システムの更新を行なった。このシステムには教育用計算機システムやプリンティングシステム、図書館システム、さらには認証基盤システム等が含まれており、約5年毎に更新を行なっている。今回のシステム更新では、従来のプライベートクラウド上にある認証基盤でおこなってきた認証機能とID管理機能の一部を、統合認証システムとしてクラウド上で認証・ID管理を行うIDaaSへと移行した。また、統合認証システムの導入に伴い、本学ではこれまで運用してこなかったシングルサインオンや多要素認証なども段階的に運用を開始したことから、本学のユーザにとって認証環境は大きく変化した。特に多要素認証においては、学内の各種教育研究用システムに対し2021年12月から段階的に必須化を行い、2022年8月に全ユーザの多要素認証の必須化が完了した。本稿では、多要素認証必須化検討時に懸念された、新年度業務への影響を評価するために、特に年度はじめにおける利用者支援窓口への問い合わせが多い新入生の多要素認証の利用状況や問い合わせ件数等を基に、新年度業務への影響について調査を行った。本調査では、アカウント初期設定時に多要素認証の設定を求められる統合認証システムが新年度の授業開始に影響を及ぼしていないか調査するために、IDaaSの認証ログを利用し、学部新入生の初回認証成功時期を調査する。また、新入生を対象に毎年実施している情報リテラシーに関するアンケート調査を通じ、所属学部や入学以前の多要素認証の利用経験が統合認証システムの利用における難易度に影響を及ぼすか調査する。さらに、新年度のアカウント初期設定に関する問い合わせ件数から多要素認証導入に伴う利用者支援窓口の負荷を調査し、多要素認証の必須化に伴う新年度業務への影響について評価する。
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