抄録
セキュリティ人材の育成手法として,サイバー防御演習の1 つであるハードニング演習がある.我々は,演習中に演習状態を巻き戻すことで,何度でも防御方法をやり直せる試行錯誤機構を備えたハードニング演習システムを開発している.先行研究より,演習状態の巻き戻し (リストア) 後に,演習状態の保存 (セーブ) を行った際に処理時間が長くなることを発見し,その原因はディスクI/Oにあると考えた.そこで,演習環境である仮想マシンを複数のディスクに分散して保存することで,処理時間を短縮できると考えた.本稿では,仮想マシンを複数のディスクに分散したことによるリストア後のセーブに関する評価について述べる.評価の結果,処理時間を短縮でき,従来よりも同時にセーブ/リストアを行える仮想マシンの台数が増加した.