2023 年 3 巻 2 号 p. 47-50
AYA世代では白血病などの造血細胞移植の適応となる方が多く、治療期間も長期となり、学業の中断や休職を余儀なくされるため、AYA世代における就学支援や就労支援は重要である。
中国地方での造血細胞移植患者に対する就学・就労支援の実態調査では、調査対象医師全員が現状の就学支援体制を不十分と回答し、就労支援においても、約85%の医師が不十分と回答した。また、就労支援窓口の利用が少ない、療養・就労両立支援指導料の算定が少ないなどの問題点も明らかとなった。
日本造血・免疫細胞療法学会では移植後長期フォローアップ(long term follow up:LTFU)外来の運用に有用なツールとして、2022年2月に診断時、移植前、移植後の3種類からなる「就労支援リーフレット」を公表し、就労支援に必要な情報提供をしている。
40歳以降の「ポストAYA世代」においても43歳までは妊孕性温存療法および温存後生殖補助医療の対象となるが、医療者も含めて社会の認識が少なく、就労にも影響するため周知が必要である。