2023 年 13 巻 4 号 p. 203-207
ナノセルロースとは,植物のセルロース繊維をナノスケールに微細化した素材で,高機能で持続可能な材料として注目を集めている.一口にナノセルロースといっても,その形態は様々である.ナノセルロースの形態は材料機能と密接に関わりがあることから,その形態情報は材料設計において重要な知見となる.ナノセルロースの形態は一般に透過型電子顕微鏡や原子間力顕微鏡などの高分解能の顕微鏡を用いて評価されるが,アスペクト比の大きいセルロースナノファイバー (CNF) においては,繊維長測定が困難な場合がある.そこで,筆者は,簡便なCNFの形態解析手法として蛍光顕微鏡法を提案している.蛍光顕微鏡は,視野が広く,形態評価のみならず,CNFの表面特性も解析することができる.本稿では,CNFの蛍光観察による繊維長測定や二重染色について説明する.また,ナノセルロースの性質理解のためにセルロースの自己組織化性についても述べる.