4G-β-D-Galactosylsucrose(ラクトスクロース;LS)は,マウスにおいてスギ花粉抗原特異的なIgE産生を抑制することが報告されているが,ヒトを対象にした評価は行われていない.そこで,本研究では,スギ花粉等の飛散時期に花粉症の症状を呈する被験者にLSを摂取させ,症状の変化を解析した.試験はプラセボ対照ダブルブラインド方式で行った.被験者をLS群とプラセボ群に分け(n = 20),LS群にはLS 3gを含む水飴を,プラセボ群にはLSを含まない水飴を1日1回,18週間摂取させた.LS群では,プラセボ群と比較して鼻症状および眼症状が有意に軽減した.また,鼻と眼の症状薬物スコアもLS摂取によって有意に低下した.日常生活の支障度についてもLS摂取によって有意な低下が認められた.以上の結果から,LSの長期摂取は花粉症の症状を緩和し,花粉飛散時期における生活の質を改善することが示された.