2018 年 8 巻 4 号 p. 307-318
インゲンマメ属のインゲンマメ種・ベニバナインゲン種,エンドウ属,ササゲ属のササゲ種・ヤエナリ種,ソラマメ属,ナタマメ属の中から身近な品種を中心に,日本国内産の豆16種から澱粉を調製しその理化学的特性を調べた.豆澱粉粒の平均粒径はナタマメ属(34.9~37.1mm)が大きく,ササゲ属(16.9~19.9mm,が小さかった.X線回折図は赤えんどうを除いてA図形ならびにCa図形を示した.DSCによる糊化のピーク温度はエンドウ属とベニバナインゲン種の一部(白花豆,紫花豆)が低く,ナタマメ属とササゲ属の赤ササゲが高い傾向が見られた.RVAによる粘度特性では,インゲンマメ属,エンドウ属,ソラマメ属のセットバックが大きく,これらの澱粉の易老化性が示唆された.膨潤力・溶解度は,属の違いによる差異よりも品種間の差異が顕著に見られた.豆澱粉粒の酵素分解残渣を電解放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)で観察した結果,3h分解後では長軸方向に割れたものが多く,層状構造と共に粒の外側に螺旋状に巻いた放射状の紐のような線が観察された.24h分解残渣では二つに割れたものはほとんどなく,表面が粗く削られ,表面から中心へのチャネルが見られた.