抄録
2002年11月5日に, 鹿児島湾から200個体以上の大形のベニクラゲ (成熟が近い雌らしき個体を含む, 最大傘径4.38mm, 最大傘高4.13mm) が一度に採集され, 大形の個体を10個体選んで計測した. 触手は最大で82本が傘縁に生じており, 一見すると既知の北日本に産する大形個体に類似していた. しかし、触手が1環列である点で, 鹿児島湾からかつて一度だけ報告された個体を除く南日本に分布するベニクラゲと同じであった. 未成熟の10個体で若返りがおこるか飼育して調べた結果, 1個体のみポリプ群体に若返ったが, その群体にはわずか3個虫しか形成されず1ケ月後に退化消失した. なお, 中膠内に100個体以上もの多数の吸虫類が寄生したクラゲ個体も見られた.