抄録
症例は13歳,女児.小学生の頃より運動時の胸痛を訴えることがあった.中学校入学後,部活動開始とともに,易疲労感と呼吸苦を自覚するようになったため,他院小児科を受診.胸部レントゲン写真とCTから,右巨大肺嚢胞症と診断され,当院紹介となった.右胸腔内の約1/2を占める嚢胞性病変が存在し,内腔に索状陰影は認めなかった.呼吸機能検査値は正常範囲内であったが,症状が続き,同学年者と同等の運動が不可能となったため,胸腔鏡補助下に嚢胞壁切除と縫縮術を行った.嚢胞底は広基性で,細気管支の開口部は確認されず,嚢胞壁開放後のリークテストで,肺実質から3カ所の気漏を認めた.チェックバルブ機構により嚢胞腔が拡大したと推測された.病理検査では,切除嚢胞壁はわずかに炎症反応を伴う線維組織からなり,内腔側に線毛上皮は存在しなかった.手術後7日目に退院となり,術後17カ月現在,症状なく外来経過観察中である.