大阪物療大学紀要
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CIS方式スキャナーを用いた医療フィルムの デジタル化における照度と画質との関係
郡田 遥士芝田 大進髙木 聡志
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2023 年 11 巻 p. 31-41

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抄録

本研究では蓋を外したCIS方式スキャナーを用いて医療フィルムをデジタル化する際の照度とスキャン画像の画質との関係を明らかにすることを目的とした。5段階の照度(195, 672, 1180, 1631, 2089 lx)と11段階のスキャン画像の輝度(−125, −100, −75, −50, −25, 0, 25, 50, 75, 100, 125)を組み合わせ、合計55種類のスキャン条件でSMPTE test pattern フィルムをCIS方式スキャナーでデジタル化した。スキャン画像のコントラストは0で一定とした。取得したSMPTE test pattern画像の中で輝度が11段階に変化している11段階輝度パッチを評価対象とした。画像解析ソフトであるFijiを用いて各輝度パッチのピクセル値を求め、フィルム専用デジタイザー画像における同一部位のピクセル値との差を絶対値で求めた。11部位におけるピクセル値の差の絶対値の合計が最も小さかったのは、照度1180 lx でスキャン画像の輝度を75に設定した条件であった。よって照度が高すぎても低すぎても画質が低下するため、最適な照度でスキャンを実施する必要があることが明らかになった。ピクセル値の差の絶対値の合計が最も小さいスキャン条件であっても、11段階すべての輝度パッチにおいてピクセル値の差の絶対値が最小とはならなかった。よってデジタル化したい画像の濃度域に合わせて最適な照度とスキャン画像の輝度を選択する必要がある。

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