健康科学大学紀要
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Print ISSN : 1882-5540
総説
高齢者のフレイル(Frailty)と身体活動
髙木 大輔
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2018 年 14 巻 p. 123-129

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抄録

 わが国は、超高齢社会に突入しており、高齢期においてストレスに対する脆弱性が亢進し、健康を崩しやすい状態であるフレイル(frailty)の発症が大きな問題となっている。フレイルの予防方法の一つとして、身体活動量の向上が有用である。一般的に身体を動かすというと、「運動」をイメージする場合が多いが、家庭内の活動である家事、子供やペットの世話なども身体活動である。無理のない範囲で家族内における役割などを決め、まずは動くきっかけを作ることが大切である。また歩数計を着用することで歩数が増加するとされているため、自分自身の活動を把握することも重要であろう。さらに趣味活動、例えば Gardening( ガーデニング)は楽しく身体を動かすことができ、おおよそ3 ~ 6 METs(Metabolic equivalents:代謝当量)の活動強度に相当する。したがって、趣味活動を取り入れることは、必要な活動時間・強度を確保しやすいため、フレイルの予防に有用な手段であると言える。

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