健康科学大学紀要
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ペアレントトレーニングの普及に関わる因子─地域の機関の活用─
原國 優子坂本 美香篠田 峯子
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2018 年 14 巻 p. 151-162

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抄録

 発達障害児の生活の場である地域機関でのペアレントトレーニング(以下、PT)の普及を妨げている因子を明らかにすることを目的に、親集団へのPT の現状と課題について国内文献より分析・検討を行った。地域既存の機関で実施されているPT は16%の普及率であるが、参加者にとっての利便性は高く、支援提供者にとっても親子双方の状況を理解しつつ介入できる利点がある。地域機関でのPT の普及に向けては、スタッフの負担軽減や、子どもの発達上の問題の発見から支援開始までの待機時間の軽減という点から、短縮版PT の適用が現実的と思われる。その前提として標準化が課題であり、そこに向けての枠組みの作成が求められる。また、的確な標的行動の設定には、作業療法士の関与が有効であることが示唆された。

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