美味技術研究会誌
Online ISSN : 1884-5908
Print ISSN : 1348-1282
ISSN-L : 1348-1282
衝撃式粉砕法による米粉の製パン性に関する検討
-米粉粒度と生地調製条件が生地膨張に及ぼす影響-
藤井 久美子門田 充司難波 和彦笠井 八重子
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 2011 巻 18 号 p. 19-27

詳細
抄録

衝撃式粉砕法による米粉について,粒度区分(100μm未満,100~150μm未満,150~212μm未満)と,加水量,混捏時間,加糖量,加塩量などのパン生地調製条件が発酵時の生地膨張に及ぼす影響を調べた。生地は,各区分の米粉に粉末グルテンを添加して調製した。
100μm未満の粒度では,損傷でんぷん率が最も高く,膨張に適する加水量も多く必要であり,膨張停止がやや早かった。混捏時間は少なくとも10分は必要であったが,150~212μm未満の粒度では,長く混捏すると膨張率が低くなり,大きい粒子がグルテンネットワークを損傷したと考えられた。
3区分とも,無糖であっても高い膨張率が得られたことから,米の食味を生かした製パンが可能であり,グルテン添加米粉パンが,主食として副食を伴う健康的な食事構成に結びつくものと考えられた。

著者関連情報
© 2011 美味技術学会
前の記事 次の記事
feedback
Top