バイオインテグレーション学会誌
Online ISSN : 2186-2923
レーザーアブレーション法を用いたフッ素化アパタイト薄膜の作製とin vitro 評価
本津 茂樹西川 博昭楠 正暢橋本 典也
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2013 年 3 巻 1 号 p. 67-70

詳細
抄録
フッ素化ハドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2 - 2xF2x;FHAp)は、その優れた耐酸性のために医療や歯科応用に対してハイドロキシアパタイト(HAp)より非常に有用である。本論文において、FHAp 薄膜の作製とその生体適合性の細胞培養試験(in-vitro )による評価の結果を報告する。FHAp 薄膜は、ArF エキシマレーザーを用いたPLD 法によって、Ti 基板の上に成膜された。XRD 回折の結果は、FHAp 薄膜のa 軸長はHAp の標準的な長さと比較して短くなることを示した。FT-IR 分析から、OH -の一部がF -に置き換わることが確認された。FHAp 薄膜のFT-IR 分析において、フッ素原子のシグナル信号を観測した。細胞培養試験(in-vitro )では、FHAp薄膜がHAp 薄膜と同程度の優れた細胞増殖を示すということが証明された。これらの結果は、FHAp 薄膜の作製の成功は、次世代のインプラントコーティング材料として非常に有用であることを示している。
著者関連情報
© 2013 一般社団法人バイオインテグレーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top