抄録
フッ素化ハドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2 - 2xF2x;FHAp)は、その優れた耐酸性のために医療や歯科応用に対してハイドロキシアパタイト(HAp)より非常に有用である。本論文において、FHAp 薄膜の作製とその生体適合性の細胞培養試験(in-vitro )による評価の結果を報告する。FHAp 薄膜は、ArF エキシマレーザーを用いたPLD 法によって、Ti 基板の上に成膜された。XRD 回折の結果は、FHAp 薄膜のa 軸長はHAp の標準的な長さと比較して短くなることを示した。FT-IR 分析から、OH -の一部がF -に置き換わることが確認された。FHAp 薄膜のFT-IR 分析において、フッ素原子のシグナル信号を観測した。細胞培養試験(in-vitro )では、FHAp薄膜がHAp 薄膜と同程度の優れた細胞増殖を示すということが証明された。これらの結果は、FHAp 薄膜の作製の成功は、次世代のインプラントコーティング材料として非常に有用であることを示している。