バイオメカニズム
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4部 生体理解のためのシステム化技術
押し込み反力計測による筋の硬さの評価
―等尺性収縮力依存性と筋疲労の影響―
内山 孝憲大杉 健司村山 光義
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2006 年 18 巻 p. 219-227

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抄録

触診のように, 筋を押すときの反力を計測し, 押し込み量と反力の関係から, 筋の硬さを評価した. まず, 上腕二頭筋を対象として, 等尺性収縮力と筋の硬さの関係を調べたところ, 提案する筋の硬さの指標は等尺性収縮力に対して比例的に増加した. 次に, 下腿三頭筋を対象として, 反復性筋収縮による疲労と筋の硬さの関係を調べるために, 足関節の底屈・背屈運動を, 20%および40% MVCの収縮力で, 底屈・背屈角度が目標値の1/3に減少するまで行った. 筋の硬さの指標は, 運動直後に最も大きく, 時間とともに指数関数的に減少した. このときの血流量は, 運動直後が多く, 時間とともに減少したが, 筋の硬さの指標に比べて, 元のレベルに戻るまでに長い時間を要した. 筋の硬さの変化には, 血流量の他に影響を与えるものがあることが示唆された.

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© 2006 バイオメカニズム学会
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