バイオメカニズム
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4部 日常生活の支援
聴覚刺激由来事象関連電位を利用した意思伝達装置の開発
井上 剛伸田中 久弥豊原 昂小竹 元基鎌田 実
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2008 年 19 巻 p. 197-209

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抄録

本稿では, ALS (筋萎縮性側索硬化症) 患者を対象とした, BCI (ブレイン・コンピュータ・インターフェース) の開発について述べる. BCIは運動機能が著しく低下したALS患者のコミュニケーション手段として期待が大きいにもかかわらず, 技術主導の研究が多く, ニーズとのマッチングが十分ではないのが現状である. 本研究では, ALS患者を対象としたニーズ調査を行い, 日本語音声を聴覚刺激として与えた際に誘発されるP300を検出するBCIのコンセプトを構築した. 本システムは日本語の五十音から, 5者択一課題により3段階で一文字を選択することができる. 健常者およびALS患者での文字選択実験から, 意思伝達装置としての実用性が示された.

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© 2008 バイオメカニズム学会
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